zep's choice Vol.7追加版

※この写真と、このページの壁紙はたけさんが撮影された9月19日のショアラインです。写真をクリックすると、この写真が大きく載った、skunkyさんのライブレポートページに飛びます。

Chasin' The Dead Vine - Summer Route: 04追加版

The Dead

8-9・8-10*・9-18・9-19・9-21　2003

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　　はじめに

• DSV04 = zep's choice 7(zc7)の追加版です。
  
  
• Chasin' The Dead Vine - Summer Route について詳細は、zc7のページ、または、 総合案内ページをご覧ください。
  
  
• これは、zc7に参加された方に自動的に追加されるものです。つまり、zc7にお申し込みの方は前回の方から、自動的に音源が送られて来るはずですから、新規のお申し込みは必要ありません。また、追加のみの参加は出来ません。新規のお申し込みはzc7のページから行ってください。また、追加はいらないという方はお手数ですが、前後の方と自主的に連絡を取って、飛ばしてもらってください。
  
• 追加するのは、セカンド・レグの最終2日間、つまり8月9日と10日*。ベイエリアでのサード・レグの全3日間、9月18日、19日、21日です。つまり、サマーツアーの最終５日間を追加という事になります。
  
  *8月10日は風が強かったそうで、ちょっときびしい残念な音質です。ヴァインで回すかどうか、かなり悩みました。
  ヴァインでシェアするのははばかりますが、演奏内容は素晴らしくいいので、参考として回します。あなたの御手元に置くかどうかは、音を聴いて判断してください。
  
  
• このツアーをなるべくコンプリートでヴァインしようとしている4人はそれぞれ、追加を行いますので、各ヴァインの追加の詳細はそれぞれのページをご覧ください。
  
  たにさん　の　 【Peek Peak Connection】
  Jantaさん　の　 【Janta's CDR Trading Post】
  asadenさん　の　【Japanese Skeleton Key】
  ですね。
  
  
• 今回もたにさんが、ご機嫌なJ-Card を作製してくださいました。PDFファイルにてアップしていただいておりますので、次のURLからダウンして印刷してください。
  
  http://homepage.mac.com/soulride/dvs/dvscard.html
  
  個別には、以下です。
  
  8月9日　http://homepage.mac.com/soulride/dvs/pdf/0809.pdf
  
  8月10日　http://homepage.mac.com/soulride/dvs/pdf/0810.pdf
  
  9月18日　http://homepage.mac.com/soulride/dvs/pdf/0918.pdf
  
  9月19日　http://homepage.mac.com/soulride/dvs/pdf/0919.pdf
  
  9月21日　http://homepage.mac.com/soulride/dvs/pdf/0921.pdf

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  時代背景　1995年以後のGrateful Dead
  
  zc7の解説をご覧ください。

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  音源解説

• | 8月9日 | 8月10日 | 9月18日 | 9月19日 | 9月21日 |
  
  
• 8月9日　Nak CM 100 W/CP4 ShotgunsマイクでSteve Traiettaさんと Mark McCrearyさん(Pugs) が、テーパーセンションで録音した音源です。sharingthegroove.orgからBitTorrantでダウンしました。音質はなかなか良いです。
  
  8月10日　これまた、Nak CM 100 W/CP4 ShotgunsマイクでSteve Traiettaさんと Mark McCrearyさん(Pugs) が、テーパーセンションで録音した音源で、前日と同じなんですが、先に書きましたように、風が強かったそうで、前日とはまったく異なる残念な音質です。
  ヴァインでシェアするのははばかりますが、演奏内容は素晴らしくいいので、参考として回します。あなたの御手元に置くかどうかは、音を聴いて判断してください。これだけ、オフィシャルで買おうかな．．
  deadtorrents.musicdot.comからBitTorrantでダウンしました。
  
  9月18日　Rode NT4マイクで録音。録音場所、テーパー名は不明です。Bob ClevengerさんによってDaud化されています。
  sharingthegroove.orgからasadenさんがBitTorrantでダウンしたものをいただきました。
  かなり録音レベルの大きい、なかなか良い音の録音ですが、低音がやや不足気味です。
  
  9月19日　AKG C1oooSでlawnのテーパーセクションから録音しているものをパッチ分けしてもらった音源のようです。
  テーパー名ははっきりしませんが、Hello to Tony and Misti! phopely@eniac.seas.upenn.eduというクレジットがあります。
  rosemary.dyndns.orgからBitTorrantでダウンしました。
  音源の録音レベルは若干小さめ、しかしながらバスドラもBass もきれいに収録された、なかなかの音質です。
  
  9月21日　これも9月18日同様、Rode NT4マイクで録音。録音場所、テーパー名は不明です。Bob ClevengerさんによってDaud化されています。
  sharingthegroove.orgからBitTorrantでダウンしました。
  クリアで素晴らしい音質です。
  

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  8月9日
  
  

• ツアーのスケジュールが発表された当初、このセカンドレグまででした。そして最終は、Bonnaroo Music Festival のニューヨーク版といったものが企画されており、The Deadは、そのトリに予定されていました。ところが、それが何らかのトラブルで中止になりました。がっかりしたDeadheadsも多かったと思いますが、Deadは必ず何かやってくれると信じていたDeadheadsもまた多かったと思います。
• そしてやはり、その替わりの追加公演として、8月9日と10日のJones Beach Amptheatre が発表されました。狂喜乱舞した方々も多かった事でしょう。それはフェスティバルへの参加よりもはるかにDeadheadsにとっては魅力的だったからです。
  何しろツアー初めての３セットショー、おまけにファーストセットはアコースティックだというのです。
  Bobby がアコースティックギターで演奏したりする事はあっても、The Deadとしてフルセットをアコースティックで行うのは初めてでした。The Other Onesとして2002年の10月27日にフルアコースティックセットを行って以来でした。
• もうひとつ、8月9日といえば、Jerry のメモリアルデイ。この日にメンバーがショーを行うのは、1995年8月9日、まさに当日にBobby が Ratdog で演奏した以外、私は知りません。（このショーはHPS5として回覧しています）
  あの日から丸８年目のその日、Jerry 以外のメンバーが結集した（Bruce とVince のキーボードコンビは入っていませんが）The Dead はどんな演奏を聴かせてくれるのでしょうか。
• この日程が発表されたときに、私もかなり気持ちを揺さぶられたのを覚えています。
  どうしようかと悩んでいるうちに、あっという間にチケットは完売しました。
  今となって、Red Rocksと、この2日間は、見なかった事が悔やまれます。
  
  

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• オーディエンス録音ならではのざわめきから、一気に期待で膨らむ会場の雰囲気が伝わってきます。
  アコースティックギター、生ピアノの音、そして実はエレクトリックですが、ウッドベースの音を出すPhilのBassのチューニング音が聞えてきます。
• クリアなギターとピアノで始まるのは、Strawberry Fields Forever。JoanとPhilとBobbyのコーラスが心地良いです。このビートルズの名曲を、Phil はPhil & Freiendsで演奏していましたね。しっかりとJamもやってくれます。Jimmy Herringのギターはアコースティックでもなかなかイケます。ウッドベースのテイストで演奏するPhil。ピアノは、Rob Barracoです。このセットは、Rob Barraco とJeff Chimenti の二人のキーボードが交替でピアノを弾きます。これも興味深いところです。
  恥ずかしながら、二人の役割分担がいまひとつわからず、音の違いが聞き分けられなかった私には有り難い構成です。アコースティックギターとピアノの織りなすほのかな夢幻郷がチラチラと見えるようです。
• 自然と続いて Friend of the Devilが演奏されます。これもなかなかいいですよ。Bobbyの唄うFOTD。ピアノはJeff Chimenti に交替。タッチの違いがよくわかります。Rob Barraco に比べると、ちょっとクールなタッチのピアノです。どことなくKeith を彷彿とさせます。
• ここで一息入れて、再びBobby の唄う Lazy River Road。ピアノはRob Barraco に交替。メロディアスでやさしいピアノです。Bobby のコーラスをつけていたJoan がセカンドコーラスではメインボーカルを取り、次にPhil がボーカルを取ります。ボトルネックギターも入ってきて、何ともいい雰囲気です。
• ルーズなリズムになって始まるのは、Candyman。古い西部劇を連想させるような、おそらくプッシャーであろう、魅力的なアウトローの物語。再びBobby が唄います。まさにJerry に捧げるかのように、Jerry のナンバーをみんなが丁寧に唄いあげます。Jeff Chimenti に交替したピアノもちょっと退廃的で毒をはらんだこの曲にぴったりで、Jimmy Herringのソロもいい味出してます。
• そしてゆっくり始まるのが、個人的にはこのセットのハイライト、Stella Blue。このJerry にしか唄えなかった曲をしっとりと、じっくりと唄いあげるのはもうお馴染みになったJoan です。Stella Blue.. と唄ったところで沸き上がる歓声が、この曲をJoan が唄うことをDeadheads が祝福し、会場中がJerry に想いをはせているかのようです。
  間奏部分でつまびくように演奏されるギターとベースとRobのピアノが染み渡ります。アコースティックのStella Blueもなかなかいいものですね。
• 続けて演奏されるは、 Cassidy。いよいよ静かなグルーヴが会場に満ちています。ピアノはJeff Chimenti 。この人のピアノもなかなかいいですね。実はRob ばかり注目して、この人の音があまりわからなかったのですが、今までのThe Dead でも、かなりイカしたピアノで、Rob だとばかり思っていたもののいくつかは、Chimenti のものだったことがわかってきました。Bobby がRatdog から彼を連れて来た訳がやっと少しわかりました。ここでJimmy がクールなソロを聴かせてくれます。
• Jamがテンポダウンして始まるのが、 Bird Song。ピアノは引き続き Chimenti。ボーカルはPhil 。この曲は今やPhil が唄うのが定番となりましたね。 Bird Song らしいJimmy とPhil によるJam が続きますが、これはまあまあの出来というところ。この曲がアコースティックセットのクローザーでした。
  
  

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• さて、セットが大きくなって、いよいよエレクトリックセットです。この音源がメンバーがステージにあがってきて、チューニングするところから収録されています。
• やや長いチューニングタイムの後にドーンと始まるのが、 Shakedown Street 。なかなか気合い入ってます。エレクトリックセットの音合わせといったところですが、最初から調子は上々です。このバンドがずいぶんと息が合ってきたのが感じられます。Bobby の摩訶不思議でファンキーなバッキングもはっきりと聴こえ、Jimmy のワウギターもちょっと小さめながらいい音してます。Joan の入ったコーラスがしっかりしているので演奏に芯があります。ホント、ますますいいバンドになってきました。最初から11分を越える熱いJam が繰り広げられます。ちょっとなめらか過ぎるけど、Jimmy も弾きまくりです。
• 間髪を入れずに始まるのが Minglewood Blues。Bobby にまかせておけばもう安心。このピアノはChimenti のタッチですね。クール！やっとわかってきました。こういう時にRob は何をしているのでしょう？もしかしてJoan とステージ裏で踊っているのかも？それもいいなあ．．。Bobby のボトルネックを使ったバッキングがカッコいいです。Jimmy もなかなかツボにはまったソロを弾いてますが、何しろBobby がカッコいい！個人的にはPhil のBass が音量的にもう少し出てきて欲しいところ。
• Minglewood Blues がきれいにエンディングを決めたところで、Phil のBass がくるくると回る旋律を繰り返し始めます。これが結構長くて、やたらモッていかれます。そろそろPhil マジックが始まったようです。着地して始まるのが、Joan の唄うCrazy Fingers。ゆったりしたベースラインを弾きながら、時折、唐突に例のくるくる回るリフを入れるPhil 。まるで波間から何かが姿を垣間見せては沈んでいくかのようです。これがたまらなく、曲に深みを与えるプロローグになっています。Phil の仕掛けを知らぬかのように、ゆったりと曲を進行するDrum隊とJoan。そしてPhil の仕掛けにかかったかのように、真っ先に反応して化学反応を起こしていくのがJimmy。
  
• なかなか聴きもので、もう少し長くやってくれたら凄い世界になっただろうに、割と短く Loser に替わっていきます。この Loser、Bobby が熱唱します。このへんになると、安定しきっていますね。Grateful Dead そのものの世界です。Jimmy はついにJerry が乗り移ってしまいました。私はいきなりこれだけを聴かされたら、バンド名を言い当てる自信がありません。この Loser もかなりいいですよ。
• Bobby がキッカケ出しして始まるのが、Tomorrow Never Knows。レノン＆マッカートニーのサイケデリックナンバー。Vince がWho のBaba O'Riley とペアで92年くらいから演ってましたね。私はVince のナンバーの中では一番好きです。Phil & Friends でもRatdog でも演奏されてますから、Dead のメンバーもかなりお気に入りの曲なんでしょう。何といっても、Joan の中近東のお経風のコーラスが抜群です。スモーキーな怪しい雰囲気満点です。Jimmy も蛇使いのようなソロを聴かせて、これもイイ！何だか、みんなイイって言ってますが、この日は本当にツブ揃いの演奏で、凄いショーです。会場はこの頃はすっかり彼らの世界に連れていかれている事でしょう
• そしてここで始まるのが、Playin' in the Band なんですから、このオヤジ（一部オバハン）達は本当に恐い。たまには普通の時もある、演奏を楽しんでオワリ．．って時もある。でも、化学反応が起こると、もう、音に身をまかせて、気がつけば後は自由自在に彼らの摩訶不思議な音宇宙を旅するという、あのGrateful Dead とまったく同質の世界がここに出現しています。The Dead 恐るべし！
  もちろん、Playin' ならではのカオスの世界に突入してから収束しつつ、セカンドセットが終了します。この日は、まだサードセットがあるのです！何と贅沢な！
  
  

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• ３つ目のセットが始まります。チューニングからさみだれに始まるような軽いJamですが、気がつけば、セカンドセットエンドのPlayin' の続きのようにも聞こえます。そういえば、この日は、毎回お馴染みのオープニングJamがほとんどありませんでした。冒頭より長めのJamが続きます。
• Jamの中から耳慣れたフレーズが聞こえてきます。 Milestones です。言うまでもなく、Jazzの大御所 Miles Davis の有名な作品。Jerry は92年に、これまたMiles の曲名をタイトルにした親友 David Grisman とのセッションアルバム 『So What』 で取り上げていましたね。The Dead での演奏はこの日でツアー3回目。
  Phil & Friends でJazzyなアプローチをするPhil と、実はフュージョン系のギターが得意そうなJimmy Herring がうまく融合した新しさを持った演奏です。
• そしてそのままJam は Playin' のテーマへと替わっていきます。そういえば、セカンドセットのPlayin' はまだ『戻って』きてなかった事に気づきます。宇宙の彼方まで行っても、必ず『戻ってきてくれた』Grateful Dead の伝統がここにあります。
• 短めの Playin' Reprise に続くのは、Phil の唄う Mississippi Half-Step。Phil はこの曲を98年のThe Other Ones 時代から唄っていましたが、ずいぶんとうまくなったものです。Joan のコーラスにも支えられて、一説にはボイストレーニングもしているというPhil の朗々とした唄が響きます。力強い演奏です。Drumsの二人が雷鳴のような音を轟かせています。ホント、Billy と Mickey のDeadタイコ隊はすごい。まったくパワーが衰えないどころか、ますますパワーアップしているかのようです。
• 長いJam から一息つくように、なつかしいリズムが聞こえてきます。 Ramble on Rose。唄うのは、Bobby。もう、違和感はありません。"Just like New York City"のフレーズにウオー！と一気に盛り上がる会場。ここはニューヨーク州。会場中が合唱します。Jerry がGrateful Dead で316回も演奏したこの曲。ステージと会場が一体になって、Jerry と共に唄っているかのようです。
• 曲が終わっても演奏がとぎれないのは、Phil が Phil & Freiends で行なってきたやり方。そのまま抑え目のJam になっていきます。ここでややジーというノイズが聞こえますが、録音時のものなのか、楽器のアンプノイズなのかははっきりしません。
• 曲調が変わり、Ratdog のシニカルなナンバー、October Queen が演奏されます。The Dead のツアーでは3回目の演奏です。アルバム"Evening Moods" の時からはかなり歌詞が変わった部分もあるようですが、Bobby の語る物語が続きます。
• そのまま再び、演奏はJam へとつながっていきます。
  Jamが何かの曲になりたがっているように、さまざまなきっかけが現れては消えていくようなJamが続きます。その中で、次第にDrums の音が目立ってきます。
  
  
• ここでCDは最後の4枚目となります。（若干、ひづみ気味の部分があります）
  もう、サードセットも軽く1時間近く経ちますが、個人的にはここからラストまでが、この日のショーのハイライトだと思います。
  Jamから楽器の音が抜けていき、Drums だけの演奏となります。Drums パートに入りました。Billy のノーマルなDrums にMickey の太鼓がBass のような音を出しています。最初は力溢れるアコースティックなDrums そのものの応酬が続きます。
  Mickey が Beam で奏でる電子音が入り込んで来て、エキゾチックなテイストに変わっていきます。Grateful Dead ＞　The Other Ones ＞ The Dead と継承されてきた、最もイメージに溢れたサイケデリックパート、Drums > Space の世界が展開されていきます。
  トイレタイムやお食事タイムにしてしまう人もいたでしょうし、座りこんで休息タイムにしてしまう人、ここぞとばかりサイケデリックなイメージの海に漂い、忘我の境地に身をまかせる人．．さまざまな人がいた事でしょう。どうやって聴いても良い、自由度がとても大きいDeadのショーの中でも、もっともフリーな時間かもしれませんね。しばしば沸き上がる歓声が、この日のこのパートのイメージの高さを物語っています。　
  特にDrums に続くSpace のパートはアンビエントな癒しに満ちたもので、ゆったりとしたヴァイブレーションが心地良いです。
• Phil のBass が Birdsong のメロディを弾き始めますが、他のメンバーはまったくSpace の世界から戻って来ようとはしません。次に Mason's Children と思われる早めのリフに変えてみると、やっと他メンバーもリズムにあわせたJamに戻ってきます。
• 再びゆっくりとした Birdsong のBassラインをPhil が弾き始めると、バンド全員が Birdsong を始めます。ファーストセットでアコースティックで演奏した Birdsong ですから、ここではサビのコーラス部分からPhil のボーカルが入っていきます。アンビエントなSpace で出来上がったグルーブをそのまま引き継いだ、ゆったりとした演奏で、実にいい感じです。
  Birdsong のコーラスが終わると、早くも曲調が変わり、軽くて速めのJam となっていきます。
• Jam の中から出てきたのは、今度は Cassidy の旋律です。これまたファーストセットで演奏された曲ですから Reprise という事になります。ショー会場にいれば、そんな事は思いだすことも考えることもなく、ファーストセットからの演奏がモザイクのように頭の中を回り始め、ただただひたすら彼らの音宇宙をめぐっている状態だったろうと思います。ショーの時空間に身をまかせ、ただ楽しむのみの状態ですね。
• ゆっくりと演奏が収束して、停まる寸前、Phil の Bass がSugaree を始めます。この曲がセットクローザーとなるのですが、私には、これがハイライト中のハイライトでした。
  大好きなナンバー、そして、Jerry で無ければ意味が無いと思っていたナンバーでした。この曲を演奏した日は、この曲の出来で、その日のDead の調子がわかる気がしました。
  唄うのは Joan 。彼女のSugaree は2月14日バレンタインデイのThe Dead のデビューショーから始まり、この日で、早くも8回目を数えます。Joan のSugaree にもう違和感のカケラもありません。この日は、イントロのスキャットからムード満点。ゆっくりとしたテンポ、音のまとまり、重さ、グルーヴ、うん、これはイケる！そんな感じです。彼女がワンレーズ唄うごとに沸き上がる歓声。メンバーのコーラスもきれいにまとまっています。
  Shake it, shake it, Sugaree
  ゆっくりと気持ち良く会場がゆらめいていた事でしょう。
  You still have to stand out in the pouring rain　
  で大歓声。
  そして、Jimmy Herrig のソロが開始されます。
  素晴らしかった今日のショーで、ただひとつ、不満点をあげるとすれば、Jerry のあの、ギターだけでモッていってくれる至福の瞬間が無かった事です。それは望むべくもありません。
  Jimmy Herrig はすべての曲で控えめながら、なめらかなで素敵なギターを聴かせてくれてはいましたが、Jerry が創ってくれたあの瞬間とは言うまでもなく異質でした。
  ところがそれが、このソロで、ついに訪れます！
  このJimmy Herrig のソロは最高です！いつもならソロを止めるところから、さらにグイグイと昇っていき、Drumsを、Bassを、触発して彼らの無限のパワーを引き出し、さらにハイに！彼がメンバーに刺激を与え、その瞬間の演奏全体を引っ張っています。Jerry のように！さらに上に、まだ行く！というソロです。そしてピッタリとクールに着地。Jimmy、イエーイ！惚れちゃうゼ！あなたもついにここまで来たんだね。この曲だけでもぜひ爆音で聴いてください。
• 大歓声がフェイドアウトしていきます。2時間を軽く越えるセットでした。この音源は、そのためのテープ交換か、Phil のDonor Rap は収録されていません。
• アンコールは何やらコケティッシュな音がつまびかれ、一体、何が始まるのかまったく予想できない中から、いきなりOne More Saturday Night が始まります。こんな立ち上がりの Saturday Night は聴いたことがありません。The Dead、なかなかやってくれます。
  長いショーの最後のひと踊り。安心して身をまかせていられるご機嫌な定番演奏をプレゼントしてくれます。
• ところが、アンコールが終了しても、メンバーはステージを去らず、次の音を出し始めます。
  アコースティックギターが弾き始められると、じわっと沸き上がるような歓声。 Ripple です。
  この特別な日に行われたショーの最後は、あの曲でした。静かなコーラスの後にBobby がソロボーカルを取ります。いろいろな事が脳裏をよぎります。歳月を感じます。会場中が静かに合唱してます。　
  
  Ripple in still water
  When there is no pebble tossed
  Nor wind to blow

  You who choose to lead must follow
  But if you fall, you fall alone
  If you should stand, then who's to guide you?
  If I knew the way, I would take you home
  
  ありがとう、Dead。
  グレートでエクセレントなショーでした。
  この日までのサマーツアーで聴いた中では、個人的にはナンバーワンをあげたくなるショーがすべて終了しました。
  でもセカンドレグはこの場所でもう一日、明日が千秋楽です。
  
  

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  8月10日
  
  

• セカンドレグ最終日。Jones Beach Amptheatre の2日目です。
  前述のように風が強かったそうで、テーパーセンションで録音したこの音源は、低音がほとんど入っていません。
  参考資料として回覧します。低音をかなりブーストしてイコライジングすればそれなりには聴けます。
• この日も前述同様の３セットショーで、ファーストセットはアコースティックです。
  このアコースティックパートは、まだ風が強くなかったのか、低音部は確かに減少していますが、充分に聴くことが出来る音質です。バランス的にはやはり生ギターとボーカルは聞こえますが、ピアノ、Bass、Drums は弱いです。
  
• オープニングは、Uncle John's Band。生ギターと生ピアノのUJB は原点に戻ったようで、実に気持ちいいです。バンドは最初からまとまりのある演奏を聴かせてくれて、コーラスもきれいにまとまっています。
  そのくせ、Jam パートではしっかりアコギと生ピアノでインプロビゼーションを聴かせてくれます。昨日同様、交替で担当するピアノオはまずはChimenti。
• 2曲目はPhil の唄う Mountains of The Moon。ピアノはRob に交替。しっとりとした Mountains of The Moon です。このPhil のボーカルは自然で、心地よく聴かせてくれます。Jimmy Herring のアコースティックソロ、なかなかイケてます。
• 続いて Blackbird 。いいですね、Bobby の唄う Blackbird 。昔のBobby みたいな素直な歌い方になっています。
  全部の曲に入るJam パートが徐々に身体を暖めてくれるような気がします。
• そのまま、 Me & My Uncle に突入。私には、アコースティックのこの曲はやたら新鮮でした。ピアノはChimenti。このピアノもなかなかのようです。もう少し大きな音バランスで録音されていればと悔やまれます。会場でコーラスをしているのがわかります。みんな楽しんでいます。
• 一息ついて、Jimmy の、アコースティックでもエレクトリックと変わらない、なめらかなイントロで、 It Must Have Been The Roses が始まります。The Dead でこの曲を唄うのは Joan。個人的には、Rob の Roses も好きですが。今日のRob はピアノとコーラスに専念です。
  I don't know, it must have been the roses
  では、会場中が大合唱している様子がわかります。ゆったししたテンポの Roses で、次第にグルーヴが満ちてきます。
• そのまま、Rob がピアノを担当して、 Deal が始まります。かなりボリュームもアップして、アコースティックながら骨太のDeal 聞き応えがあります。Bobby と Joan がデュエットします。風が強まってきたか、シンバルの音がフランジャーがかかったように、ジョワーンという音の録音になっています。後半のJam はかなりの盛り上がり。大歓声で終了します。
• そしてアコースティックセットのクローザーは、ドンピシャなこの曲、 Brokedown Palace。ピアノは、Chimentiに交替。唄うはBobby 。
  つくづく名曲ですね。この曲にはDeadheadsの数限りない思い出と、想いがつまっていることでしょう。歴史を経て、今またここに生きているこの曲．．といった感慨を覚えます。それを膨らませてくれるような、好演です。
  ファーストセットが終了しました。
  アコースティックっていいなあ．．と思います。
  
  

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• 始まりが、ややフェイドイン気味で収録されているセカンドセットは、Drumsから始まります。Drumsで始まるセカンドセットは、Grateful Dead では数えるほどしかありませんが、The Other Ones や、The Dead では割と使われる構成のようです。それも、千秋楽に多い気がします。2002年テラピンのラストもそうでしたし、7月11日、ファーストレグの最終日もそうでした。
  オリエンタルな旋律から、激しい太鼓の応酬へと演奏は変化していきます。パワフルな音に歓声があがります。
• 通常ですと、ここからSpace パートになるのですが、この日は、一転して明確なリズムとメロディが始まり、 Self Defense が始まります。Mickey のボーカルです。ラップみたいと賛否両論の彼のボーカルですが、いわゆるラップではなく、それなりにメロディに乗っています。私はこの曲自体にいまひとつ魅力を感じないのですが．．
  Jimmy Herring の今日初めての、流れるようなエレクトリックソロが聴けます。
• ギターがファンキーなリフを刻み始め、一体、何の曲だろうと思った瞬間に、お馴染の Mr. Charlie のイントロリフが開始されます。唄うはJoan。彼女はつくづく歌がうまい。Deadheadsでなくても、誰が聴いても、一般的にうまいと感じるうまさを持っていますね。
  アコースティックセットからそうでしたが、この日のJimmy のリードギターはますますなめらかで、流麗なソロを聴かせてくれます。彼もまた、Deadheadsでなくても、誰が聴いても、一般的にうまいと感じるギターですね。思えば、この二人は、今までのGratreful Dead と少し異なるキャラクター。それが不満だったり、新鮮だったり、いずれにしても、The Dead の新しさや面白さのキーマン達だと思います。（この二人をメインに万人受けするバラードでもレコーディングすれば、すぐにヒットしてしまう気もしますが、それはメンバーもDeadheadsも望むところでは無いでしょう。）
  演奏はブルースの12ビートに変わり、Jam に入ります。すぐにそれは終わり、ゆるやかなJamから次第に速度を増し、Jam が何かの曲になりたがっているのですが、それが何かはなかなか現れてきません。Jimmy は相変わらず弾きまくっています。ちょっと一本調子かな？
• 一段落したところで、おごそかに始まるのが、St. Stephen のあのイントロメロディ。リードするのはJimmy 。大歓声が起こります。安定してばっちりと決まった演奏で、なかなかの出来です。コーラスもそろっています。ここでもJimmy のギターが光っています。
  サビのボーカルはお馴染のPhil 、からみつくやさしいピアノはRob のタッチです。そこからの一気の盛り上がりも見事。バンドメンバーが一体となった演奏が聴けます。ここからがセカンドセットのハイライトです。
• 引き続き演奏されるのは、William Tell Bridge。もともと、St. Stephen の一部だったこの曲を蘇らせたのは、このツアーでのThe Dead。すっかり定番になってきました。この日でツアー6回目の演奏です。このツアーでは、これが最後の演奏となります。イントロでオルガンとピアノのアンサンブルが垣間聴けます。中世の古城の中のような情景が浮びます。
  Jam が激しさを増しては、再び収束し、その中で、耳覚えのあるリフが繰り返されます。St. Stephen と The Eleven のリフですが、簡単には次には進みません。きっかけを捜しているというよりは、機が熟すのを待っている．．そんな演奏です。
• 機が熟し、Jimmy が The Eleven の旋律を高らかに奏で始めると、会場から歓声が起こります。
  Bobby が力を込めて唄います。このころには、大きな渦が発生したような、マジックな空間が出現していた事でしょう。バンドのパワーを感じます。もはやPhil も自由自在に弾きまくり！Bobby も不思議な装飾音を出し続けます。
  激しいJam もゆっくりと着地して、次の段階へ進むことが示唆されます。リードするのはやはりPhil です。
• POPな旋律な流れて Joan が唄い始めます。あまり馴染が無い曲。でも、一度で好きになってしまいそうな旋律。All That We Are という曲です。Phil Lesh 作詞作曲！5日前の8月5日に初演されて、この日がまだ2度目の新曲です！
  本を開く。夜の黒い本。ページをめくる。内部の光景。私の夢。コントロール出来ずに回ること。昨日を信じ、本当に知るべき必要なことは全て今日にある．．ドアを開き．．瞳を開き．．稚拙な直訳しか出来ない私でも、何か示唆に富んだ歌詞が唄われている事がわかります。魅力的な曲です。こんなのをシングルカットしたらヒットしてしまうなあ．．ヤバいなあ．．。ここに来て、こうした新曲を出してくるPhil に素晴らしい可能性を感じます。
• そしてセットクローザーは、待ってました、Sugar Magnolia！
  すべての人をガイコツ踊りに参加させてしまう Bobby のマジックソング！この日のBobby も元気一杯！Bobby が歳を取った？冗談でしょう！最高のロックンロールをプレゼントしてくれます。ご機嫌なグルーヴです。完璧！
• 1時間を有に越えるセカンドセットが終了しました。通常ならここでショーが終わりますが、この日は、前日に引き続き、もう１セットあるのです！セカンドレグ千秋楽にふさわしい盛り上がりになってきました。
  
  

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• この日、3回目のステージです。
  ピアノのつまびき、小刻みなギター、チューニングのようなJam のような音のカケラが転がり始めます。
• 何が始まるのか、息をすましていると、Bobby のギターが細く高い音でカッティングを始めます。そのまま、All Along The Watchtower を静かに唄い始めるBobby 。まるで噴火の前の小さな余震のようです。次第にそれぞれの楽器が小さく参加し始めます。肩の力の抜けたオープニングです。なめらかに自然にJam となっていきます。そしてこの曲はそのまま終息します。セカンドセットの盛り上がりからすると、ちょっとボルテージが下がったような印象を持ちました。それがバンドの意図的なものなのかはまだわかりません。
• 静かなイントロから、Phil の唄うUnbroken Chain が開始されます。この日でツアー5回目の演奏です。からみつくピアノがいい味を出してます。後半のJam パートは１曲目同様、ちょっと抑え目の印象です。Jimmy Herring は弾きまくっていますが、例によってなめらかです。ここに来て、楽器バランスはばっちりと決まった状態です。Bobby のギターもPhil のベースもオルガンもピアノもDrums もすべての音を、埋もれることなく聴くことが出来ます。特にピアノが印象的な演奏を聴かせてくれます。
• Jam は波が引くようにアンビエントなものになっていきます。そしてまるで、小鳥のさえずりのような装飾音が聞こえ、彼方からかすかに、Mickey のBeam の重低音が小さく聞こえます。これはまるで、Space パートです。そういえば、この日はなぜか、セカンドセットのDrums の後にSpace がありませんでした。ここに持って来るのか！？ここでもまた、The Dead の新しい試みです。
  ギターの音なのか、Joan のイコライジングされた声なのか、判別のつかない響きが聞こえます。
• そして、 Morning Dew が始まります。核戦争の後の朝を唄ったというこの曲。これまた、Jerry だけに許された曲だったはずです。
  それを唄うのはJoan 。うん、OK！これならJerry も微笑んでくれる。サードセットはセカンドセットとはまた違ったグルーヴが生まれてきました。それは、セカンドセットで一段高いところに連れていかれた人々を癒すようなグルーブです。新しい世界が開けていった人々も多かったと思います。
  気がつけば、ちょっと物足りなさを感じたオープニングから、もう忘我の境地に連れていかれていました。
  Jimmy のソロの後に歓声が起こります。そうか、Jimmy だったんだ、そしてボーカルはJoan だったんだ。人もフレーズも音色も違うのに、この、音に心地良く身をまかせていられる状態は、Grateful Dead がくれたあの世界そのものです。The Dead が化学反応を起こしています。
• エンディングの後は余韻を継続するかのようにJam でつながれていきます。それがPhil のBass によって、The Other One のコードとなっていきます。Jimmy は相変わらず弾きまくり。そして、ちょっと控えめなPhil's Bomb が炸裂。すべては一連の流れの中で起こっているいう印象です。大きなうねりの中でのThe Other One です。もう、このうねりは止められないという状態。Jam はピアノのつま弾き、不協和音をはさんで次第に過激さを増していきます。これはなかなか凄い！
  いよいよカオスへ突入というところで収束。もう少し続けて欲しかったけれど、曲調が変わり、新たなJam へと入って行きます。
  再びThe Other One のテーマへ。目まぐるしい演奏です。
• 演奏が終わってからもPhil がつぶやくようなBass ラインを弾き続けています。とぎれる事のない演奏が続きます。Phil が唄い始めます。Let my inspiration flow, in token rhyme suggesting rhythm....　Terrapin序曲、Lady With A Fan です。The Dead がこのツアーでこの曲を演奏するのは、これで6回目。すっかり安定した演奏となりました。ゆったりとしたリズムで曲は進行します。
  Jamパートになると、ふと違うモチーフが顔を出したりして、どういう進行になるのだろうとも思いますが、やはりLady With A Fan のまま進んでいきます。そして転調、いよいよ、私が最高に好きなフレーズ、Inspiration, move me brightly!! が唄われ、 Terrapin Station が始まります。欲を言えば、ここで少しバンドのばらつきを感じます。この頃にはかなり風が強くなってきたらしく、録音がかなりあおられています。お馴染みのリフレインは並みの長さ。それでも短めが多かったThe Dead としては長いほうではないでしょうか。
  リフレインの後は、Phil がここのところ採用しているリズミカルなJam がやや続き、終了します。
• Drumsがリズムを刻み始め、Bobby が Samson & Delilah を唄い始めます。このセットのBobby は、どーんというかまえた始まり方ではなく、何気ない始め方をします。割と軽めのSamson です。その軽さに乗って、Jimmy が実に軽快にソロを取ります。このころには残念ながら演奏全体にフランジャーがかかったような状態です。
• 間髪を入れず、Phil がラストソングを始めます。これまた軽快なリズム、Turn On Your Lovelight です。かつてはPig Pen が唄い独自の世界を築き、Bobby が引き継いだこの曲。やはりこの日の歌い出しもBobby です。
  そして今、この曲を盛り上げるのは、Joan です。彼女が唄い始めると演奏に芯が通ってきました。どっとグルーヴが沸き上がるように強弱、緩急をつけたご機嫌な演奏になりました。このLovelight はいいですよ。これをいい音で聴いたらさぞかしと思われる演奏です。録音はますますきびしくなりますが、ホットな演奏でセードサットが締めくくられます。
  
  
• この日の Donor Rap はGrahamという人が行った後にPhil が引き継ぎ、いつものGod Bress Youes, Thank You! で締めくくられます。
• アンコールはギターのカウントで U.S. Blues。ちょうどジャストなテンポでなかなかいい感じ。
• セカンドレグの最終日はアンコールもさらにサービス。Bobby のシャリシャリいうカッティングで Touch of Grey が開始。
  私はRatdog のTouch of Grey がGrateful Dead と一味違うテイストでなかなか魅力を感じていますが、Bobby が唄うこの曲は、ちょっとストイックなRatdog バージョンと、フルバージョンと言えるGrateful Dead バージョンをミックスしたようなテイストで、これまたチャーミングな演奏となっています。後半は若干走り気味です。千秋楽の最後にこの曲を持ってきたのは、出来すぎではありますが、説得力があります。
  
  こうして、長いショーが終了しました。変化に富み、実に聞き応えのあるショーでした。まるで２日分を１日で行ったようなショーが2日連続で行われました。またひとつ、バンドがまとまり、大きくなっている気がします。
  この日から、バンドは長いロードを離れ、１ヶ月以上の休養期間に入ります。最初にツアーが発表された時は、ここまでが全日程でした。東海岸から東部を中心に行われたツアーでした。
  メンバー達には西海岸の古巣に戻り、家族と共にくつろいだり、ショーを見たりする日々が待っています。マリン郡でのアートフェスティバルでは、Joan がステージに立ち、そこにBobby が飛び入り、Phil が家族連れでそれを見守るという光景が見れたり、ヘイトアシュベリーの710の前ではPhil とBobby とMickey がストリートパフォーマンスを行うという事もありました。
  この1ヶ月後に、2月14日のWarfield でのバレンタイン・デビューショー以来7ヶ月ぶりのショーをベイエリアで3回行うのです。
  　

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  9月18日
  
  

• Jones Beach から1ヶ月余り経過して、The Dead がついにカリフォルニアに還ってきました。
  西海岸のDeadheads が待ちに待った追加公演は、３日間。
  9月18日のIrvine、翌9月19日のShoreline、そして1日おいて9月21日のGorgeです。
  私は最初のふたつの会場は行った事がありますが、Gorgeは未だ行ったことがありません。そして今、一番行ってみたいベニューがGorgeです。
  
  
• ロアンゼルズ近郊のIrvineは、駐車場から10分以上歩かないと会場に入れないような大きな野音です。
  The Dead はまずそこからベイエリアでのサードレグを始めました。
  この音源はかなり録音レベルが高いですから、いきなり大きな音が出てびっくりしないようにご注意ください。
  若干、低音が不足気味の気がしますから、少しいつも以上に低音をブーストするエコライジングがいいと思います。
  （ちなみに私はいつもかなり低音をブーストしています。ライブ会場でのあの音をイメージすると自然にそうなります。）
  
  
• まずは挨拶替わりのオープニングJam からスタートします。
  これは、PAの調子や、モニタの具合、メンバーの互いの状態を安定されるにも有効なのだと思います。
• Jamが Help on the Way のイントロに変わると、ウオーっという歓声があがります。待ってました！というところですね。唄うはBobby です。なかなか調子良さそうなスタートです。Drums の二人も元気、Phil のBassもばりばりに弾いてます。Bobby のカッティングも切れ味が良さそうです。最初からなかなかまとまった演奏で、しかも白熱しています。これは期待出来そうです。
  まもなく演奏はお約束の Slipknot! に変わり、白熱したJamパートとなります。
  
  まず気づくのが、Jimmy Herring のギターの音量、というか、音量バランスです。8月までとは明らかに違います。
  音が倍近くも大きくなっています。The Other Ones からThe Dead を通して、いつもなめらかで、聴くたびに成長というか、変化を遂げてきた彼のギターですが、なめらかであればあるほど、いつも一点、違和感というか、不満がありました。それは、音が小さい事です。
  遠慮しているのか、自信が無いのか、元々控えめな性格なのか、Grateful Dead との最大の違い、違和感はそこにありました。
  それがここに来て、ついにJerry と同じ音量バランスの音を出すようになりました。そのせいで、バンドの音全体が、ぐっと引き締まり、スリリングになりました。
  あとは、小さめであっても、Bobby の音を消してしまうくらい、弾きすぎてしまう彼が、Jerry のような緩急を覚えれば、これはかなり凄い事になっていく気がします。
• 演奏が Franklin's Tower に行くべきところで、 Hard To Handle に変わっていきます。これは、このツアーでThe Dead が何度か行ってきた手法で、こうなる場合は、後でFranklin's Tower が待っているはずです。
  Joan のボーカルでワッと盛り上がる会場、パワフルなボーカルです。気合い入ってます。Bobby のボーカルパートのブレイクの部分で声を合わせる会場。Deadheadsだらけの会場であることが、その事からもわかります。
  その後のJimmy のソロがこれまた気合い入りまくり！大きくなった音で、ご機嫌なソロを聴かせます。呼応するオルガン、そしてDrums がご機嫌で、さらにPhil のBass も凄い。Jam が終わってボーカルパートに戻る時には大歓声です。それは、白熱した演奏に対してのものです。そしてJoan のボーカルにもさらに新たな歓声があがります。終わった時には、大歓声。カリフォルニアのDeadheadsの喜ぶ顔が浮びます。最初から熱い演奏でした。
• メローなイントロに乗って始まるのは、Mickeyの唄う Down the Road Again 。オフィシャルページにもそういう表記ですが、これはコーラスのリフレインをそのまま曲名にしてしまったためで、1996年のアルバム Mickey Hart's Mystery Boxで Robert Hunter が詩を書いた当初は、Again 無しの、 Down the Road というタイトルだったようです。この日でツアー通算4回目の演奏です。語りかけるような物語を唄うMickey ですが、ラップ調よりももう少しメロディアスなボーカルです。Jimmy も曲調にマッチしたボリュームペダルを使ったメローなソロを披露します。
• 終わった後は、静かなJam となります。そしてJam が何かの曲になっていきます。 Ramble on Rose です。Dead の曲だとわかるたびにイエーイ、ワー、と歓声があがる会場。わかります。嬉しいんですよね、とにかく。
  （余談ですが、イントロ当てクイズで、いつもRamble on Rose とTennessee Jed と、He's Gone を間違えてしまいそうになる私です。）
  Bobby のボーカルです。ピアノがイカしてます。これはChimenti のタッチかな？そして、ここでもJimmy のソロが聴かせてくれます。バンド内での Jimmy の存在が大きくなってきた事を感じます。コーラスはみんなが合唱。楽しかったろうなあ．．
• ここで静かなイントロが流れてきます。 Strawberry Fields Forever です。Joan とPhil のデュエット。Phil & Friends で取り上げたこの曲ですが、The Deadでは、8月9日のアコースティックセットのオープングで演奏されてから、２度目。エレクトリックセットではファーストプレイという事になります。やはり深みが増しています。後半はJoan のスキャットに誘われるかのように、インテンツなJam が展開されます。The Dead は1ヶ月の休息を経て、ますます良くなってきたという印象です。それは、この30年以上続けてきた大ベテラン達の、しかしながらバンドとしては、まだたった7ヶ月のバンドが、細かい呼吸が合うようになってきた、次第にメンバーが好きな事をやれるようになってきたという進歩なのでしょう。休み無いツアーでの毎日にような演奏も良かったでしょうし、その上での休息をはさんだスタジオでのリハーサルも新たな進歩をもたらしたのではないでしょうか。
• Strawberry Fields の魔法が次第に終わっていきます。そこからつながっていくのは、Phil の唄う Mountains of the Moon です。Jerry とHunterコンビが作り、Aoxomoxoa に収録されたこの曲をGrateful Dead が演奏したのは、68年と69年にわずか12回のみ。98年のThe Other Ones で取り上げ、復活させました。The Dead では、この日が5回目の演奏です。叙情的なメロディの実にいい曲ですね。この曲もまた、後半はJam となっていきます。Jazzy でハイテンポなJam が展開されたと思いきや、Mountains of the Moon のゆっくりしたボーカルに戻り、まだこの曲の中にいる事がわかります。
• 曲調が変わり、Phil のPOPな新曲、 All That You Areになっていきます。8月10日に次いで3度目の演奏。いい曲ですね。これから演奏されるたびにメンバー全員の手によって熟成され、変化してゆくことでしょう。
• Bobby が Bertha のカッティングを始めます。Jerry がGrateful Dead で394回も唄ったこの曲を、The Dead でBobby が唄うのは、まだわずか3回目です。この曲がセットクローザーとなるのですが、これがホッカホカの演奏です。Jimmy のボリュームを絞らないカッティングも気持ちいいし、後半のソロが空を飛んでしまってます！
  会場はもう大騒ぎ！大盛り上がり大会です。個人的にはこの曲がこのセットのハイライトだったりします。
  うーん、The Dead 、ますます良くなっているではないですか！
  
  

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• セカンドセットです。
  アコースティックギターが Friend of the Devil を奏でています。この日で5回目のFOTD です。長いイントロです。Jimmy はエレクトリックでFill In します。Bobby が唄います。Tonight の部分から合唱。会場が唄っています。心地よい間奏が続きます。Jimmy のギターがツボにはまるようになりました。これはもしかしたら、私がJimmy に心を許すようになっただけなのかもしれないなどと思いながら。
• FOTDが終わり、Jamともチューニングともつかない音の中からやがて、 Even So が始まります。Ratdog のナンバー。真夜中の深層世界のようなこの曲は、あの7月7日のRed Rocks についで、まだこれで3回目です。けだるくモノトーンな曲調はソロやRatdog で見せるBobby のもうひとつの顔ですね。
• そしてさらにBobby のソロワールドが続きます。 October Queen です。こちらは4回目の演奏。前回は8月9日、その前は、7月7日のRed Rocks でした。
  これも、どこかもの悲しい曲調。バンドメンバーが雰囲気たっぷりにサポートをしますが、この曲はSax が欲しいところです。
• 曲調が変わり、Jam となっていきます。そして、ラテンのリズムになり、演奏される曲は、Only The Strange Remain 。この日で5回目の演奏。Hunter が詩を書き、Mickey Hart が曲をつけ、97年のMickeyのアルバムMystery Boxに収録されていた曲です。 98年 には、The Other Ones が、この曲をタイトルにしてThe Strange Remain というライブアルバムを出しましたね。短めのボーカルの後の間奏は、何げないのだけれど、そこだけ切り取ったら サンタナも顔負けという内容です。Jimmy がディストーションとサステインの効いたギターを聴かせる後で、Bobby がイメージたっぷりのカッティングをしています。後半のボーカルとコーラスはちょっとまとまりが不足です。
• ギターがThe Other One のリフを弾いているので、そこに行くかと思いきや、なかなかそうはいきません。今度はPhil がThe Wheel のBass を弾き始めますが、Jimmy はまだまだJam の世界をゆらゆらしていて、主旋律には入ってきません。やがて、Jimmy がその気になったところからコーラスが始まります。Phil とJoan のデュエットボーカルです。割と軽いThe Wheel です。途中のJam では、Uncle Jhon's Band に成りたがるかのような部分もありますが、そのインスピレーションはすぐに消えていきます。Bobby があおるようなカッティングを始めると、Jam は白熱化していきます。かなり渾沌としてきて、いよいよカオスの世界に突入すれすれのところで踏みとどまったJam が続きます。
• Jam の頂点で、 The Other One 開始！もうすでに走っている中でのThe Other One ですから、最初から全開モードです。Jimmy が飛ばす飛ばす！
  これはスゴイ！Bobby のボーカルもカッコいい！コーラスもばっちり決まって、セカンドセットの最初の頂点です。
  
  
• 他の楽器が演奏を止めても、Drumだけは止めません。ショーが Drums のパートに入ってきました。この日は、Phil & Friends （最近は、Phil Lesh Quintete = PLQ と呼ぶ人も多いようですが） の雷Drums、 John Molo がゲスト参加しています。Mickey が装飾音を入れています。Drums のパートにカラリングするのはいつもMickey です。おそらくBilly と John Molo であろう生のDrums の応酬に歓声があがります。
• Drums が一段落して、Beam の重低音が低く流れ始めます。演奏は Space のパートへと移行してゆきます。（ちょっとCDのIDの位置がおかしいです。D3T2の4：00あたりからです）Beam の重低音ソロが大受けしています。ギターとBass とキーボードも参加。今日のSpace はかなり異次元まで行ってしまってます。Joan も自分の声をイコライジングして、楽器にしてしまって参加します。このSpace は時間も長く、聴き応えたっぷりですので、彼らのイメージの世界を充分にお楽しみください。
• ギターが人間的な旋律を奏で始めます。 China Doll です。Joan の唄うこの曲も、もう7回目。かなり好んで演奏されている事がわかります。74年のFrom The Mars Hotel に収められたマイナーの美しい佳曲。Grateful Dead での演奏は114回です。Joan の情感たっぷりの熱唱とJimmy の甘いギターは、Jerry の創りだしたピュアな寂寥感までは到達出来るものでは無いのですが、実に彼らなりのChina Doll を聴かせてくれます。特にに後半のJimmy のソロはぐっときます。
  私にとって、この曲の最大の山場は、後半の転調してからの無伴奏コーラスパート、
  Take up your china doll
  It's only fractured
  Just a little nervous from the fall
  La la la la la la la
  の部分です。ここでいかに、『いつくしむ』『いとおしむ』世界を創れるか？
  あのJerry の、息を止めて聴きたくなるような張りつめた感動にどこまで迫れるか？Joan はなかなか見事にその山を越えてくれました。
  そしてその後のハイライトのギターソロはJimmy が彼らなりの China Doll を創りつつある気がしました。
• Grateful Dead でもしばしば見られた流れですが、演奏は、 Throwing Stones につながっていきます。John Barlow と Bob Weir コンビの曲に中でもかなり好きな曲です。Grateful Dead では、82年から10年余りで実に265回も演奏されています。セットクローザーとか、クローザー前とか、要所要所で使われる曲でしたよね。
  Bobby はRatdog でもこの曲を好んで演奏していますね。95年8月9日のRatdog でも締めはこの曲でしたね。（HPS5)
  The Dead では、この日が、5回目の演奏です。
  この曲の好演奏は個人的には、7-18-1989などがありますが、自分が好きな演奏のキーポイントとしては、重い前半の演奏の後、
  On our own, on our own, we are on our own
  のコーラスが歌われた後の、一転したセレブレイトなギターパートの出来が大きいです。思わず、Jerry 、ありがとうと言いたくなる名演がたくさんありますね。ちょっとその切り替え部分のメリハリは不満もありますが、Jimmy Herring はその後はしっかりとそれをやってくれました。ぐいぐいと曲を引っ張ります。なかなか見事なソロです。
  ラストコーラスのリフレインでのBobby の盛り上げ方も当然ながらツボにはまって見事。
• そして、Slipknot! のリフが繰り返されます。待ってました！
  Help on the Way で始まったこの日、演奏されなかったFranklin's Tower は必ず後で出て来ると思っていたら、ここ、セカンドセットのラストソングでした。1st、2ndセットを通しての流れとコンセプトのあるショーとしたかったのでしょう。この曲はツアーで8回目！最多です。Jerry と同じ楽器バランスとなったJimmy Herring のギターが実に気持ちいい！何度か聴いた、Phil のリードボーカルです。この曲のJimmy のソロは聴くたびに素晴らしかったけれど、この日は中でも出色です！見事、最高！といいたくなるギターを聴かせてくれます。今の彼をすべて出したような、天を駆け昇るようなソロです。この日のJimmy のギターの中でも最高の出来！イエーイ！このFranklin はこの日のハイライト！
  演奏の後の大歓声が、この演奏の素晴らしさを物語っています。
  一端、ステージを去るThe Dead のメンバー達。
  
  
• Phil が戻ってきて、いつものように、 Donor Rap を始めます。
  これは私の勝手な思い入れなんですが、Phil には、Jerry も移植を行っていればまだ生きていられたかもしれないという、悔しさというか、想いがあって、それが強いモチベーションになっているような気がしてなりません。そしてもちろん、再び、こんな素晴らしい音楽を続けるチャンスを与えてくれた彼の Donor への深い感謝があることは言うまでもありませんが。
  
  
• アンコールはアカペラのあの曲、 We Bid You Goodnight　です。彼らがこの曲を演奏するのは5回目です。割と多い印象ですね。メンバー全員がステージ前方に出てきて、アカペラで唄うこの曲。PHISH も同じ手法を採用していますね。Joan がリードボーカルを引っ張るこの曲も新鮮です。
  この曲が唄われれば、ショーは間違いなく終わることを意味していますね。
  実に2時間にわたるセカンドセットでした。
  
  ツアーを経て、カリフォルニアのDeadheads の前に戻ってきた The Dead 。大きく進歩して成長したバンドを感じさせてくれた事でしょう。
  彼らが結成時にコメントしたとおり、過去の輝かしい伝統と実績を宝物にしながら、新しい何かに向かっている事も理解されたことでしょう。
  サードレグの初日は大成功で終わりました。

  
  
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  9月19日
  
  

• いよいよ、サンフランシスコにThe Dead が戻ってきました。
  場所は聖地Shoreline。
  街の中のほどよい会場から次第に締め出されていったGrateful Dead のため（？）ビルグラハムが、サンフランシスコから車で40分、半島の裏側に位置する埋め立て地に建設したベニュー、ショアライン。2万5千人を収容する野音。ちょっと芝生席の傾斜がきついショアライン。いつにそこに The Dead が戻ってきました。まるで古巣に戻ってきたかのように。
  日本からも多くの方が見にいかれた事と思います。（skunkyさんのライブレポートはこちら）
  それにしても、Irvineの翌日が Shoreline というパターンが定常化していますが、車で追っかけをするには、かなりキツイですね。
  Irvineの後に1号線か5号線を夜通し走って、6時間から8時間。せめて1日あけてくれればと思います。
  
  
• ステージに現れたメンバーは、なつかしい『地元』の、そしてある意味最もシビアに彼らを見るDeadheads の前で、すぐに Lazy Lightning を始めます。いつもようなJam はありません。
  
  AKG のマイクでlawnのテーパーセクションから録音したという、この音源の録音レベルは若干小さめ、しかしながらバスドラもBass もきれいに収録されたなかなかの音質です。AKG のマイクはもともと低音がよく拾えるようですね。ただし、若干、音が遠くて丸い気がしますが。音を聴く限り、最初からPAのバランスはなかなか良かったようです。スタッフにもかつて知ったるショアラインというところでしょうか。
  
  破綻のない流れるような演奏で、定番の Supplication のリフにつながっていきます。
• 唄の無い、Supplication をモチーフとしたJam が演奏されます。Jimmy Herring はまるで指慣らしのようになめらかなギターを聴かせています。
  肩の力の抜けた、いい感じのスタートです。彼らがこのベニューを訪れたのは、前年10月27日に、The Other Ones として、彼ら初のフルアコースティック・セットで出演して以来、11ヶ月ぶりです。
• Jam は、 China Cat Sunflower のリズムへと替わっていきます。でも、ここのオーディエンスの前では当たり前に China Cat を始めはしません。ちょっと長めのイントロJam で、アイドリングを充分に行ないます。そして、Bobby の唄う China Cat が開始。
  Jimmy が流れるようなソロで曲をリードします。今の彼、いや、今のこのバンドに欠けているものがあるとすれば、それは、デリケートな静寂までもをグルーヴを持って伝えるような、70年代のDead のあのデリカシーでしょうか。つまり、弾き過ぎるという事を言いたいのですが、それは今はまだいいような気がします。やがて、ショーを繰り返していく事で、バンドとして育まれていく事なのでしょう。私は今のこのバンドの音を堪能することにします。
  激しくは無いけれど、波間に浮いているような、心地良いJam が続きます。
• 曲調が変わり、お約束のI Know You Rider ではなく、 Reuben & Cherise が演奏されます。I Know You Rider は昨日のFranklin's Tower のごとく、セットかショーの最後に移動されたのでしょう。
  さて、 Reuben & Cherise です。Hunter & Garcia コンビのこの曲は、78年のJerry Garcia Band のアルバム、Cats Under The Stars に収録され、Grateful Dead での演奏は91年にわずか4回。JGB では77年から95年まで実に97回演奏という、完全なJGB ナンバーです。The Dead のツアーでは、Joan のボーカルで6回目。かなり好んで演奏されています。これまた、The Dead が復活させた曲といえるでしょう。Joan としては、本日初のリードボーカルです。これも後半は長めのJam が続きます。
• マイナーなリードギター（これがなかなかいいです）が明るい曲調に変わり演奏されるのは、Phil がHunterの作詞でこのツアーで作った新曲のひとつ、 A Little Piece For You 。6月21日にHartford で披露されて、この日でまだ4回目。気持ちに染み渡るようなバラード。Phil は、ここに来てもGrateful Dead の名曲とまったく遜色ない素晴らしい曲を発表してきますね。彼が今もポジティブで常にハイな状態にあるのがわかります。
  この曲はカリフォルニアのDeadheadsにも拍手を持って迎えられました。
• やっと演奏がとぎれます。
  Jimmy がワウギターを響かせます。次の曲に対する期待が高まります。ジャーンというイントロで、 Shakedown Street 開始。割とミディアムテンポのゆっくりした重めの Shakedown Street です。ショライアンのオーディエンスには、まずは楽に横揺れで、またはOLD Heads にも無理の無いテンポで楽しんでもらいながらエンジンをかけていこうという感じです。ツアー6回目の演奏。ホウ！の部分は会場全体が声を合わせます。
  知らず知らずのうちにJam が次第に白熱していきます。気がつけばすっかり曲にのめりこんでいる自分を発見することでしょう。そろそろバンドが本性を現し始めたようです。
• Jam がゆっくりと終息しかかったところで、Drums のきっかけで Mister Charlie が始まります。唄うはJoan。Hunter とPig Pen によって作られ、スタジオ盤への収録は無かったのですが、71年と72年のたった2年間だけで48回も演奏された、Pig Pen の定番R&Bナンバー。99年にPhil によってPhil & Friends のナンバーとして復活しました。The Dead ではJoan のナンバーとして6回目の演奏。こういう曲の取り上げ方が、The Dead の新しさですね。Jerry の曲を唄うためにThe Dead に招かれたJoan ですが、彼女の唄うPig Pen ナンバーもなかなかイケますね。
• 引き続き、Bobby の唄う Stagger Lee が演奏されます。これも会場が合唱します。Dead ナンバーはほとんど空で唄える人々の集まりである事がわかります。78年のShakedown Street に収録された後、146回演奏されたこの曲。The Dead では5回目です。
• パーカッションに導かれて、Mickey の唄う Self Defense が演奏されます。8月10日のJones Beach でも演奏されたばかりですね。これで6回目の演奏となります。Jimmy が見事なソロを聴かせます。
• Self Defense がエンディングをピタリと決めて終了します。Jimmy とPhil のささやくような音に導かれて、Bobby が唄い始めるのがJack Straw 。この曲がファーストセットのクローザーとなります。Bobby に掛け合いのコーラスを入れるのが、珍しくRob です。彼の唄が大好きです！
  Hunter とBobby によって作られたこの曲。71年からGrateful Dead で通算473回も演奏され続けてきた名曲中の名曲。The Dead ではまだ5回目の演奏です。
  
  We can share the women, we can share the wine
  We can share what we got of yours, 'cause we done shared all of mine
  Keep on rolling, just a mile to go
  
  ヘイトの彼らのアジト、710での生活をそのまま唄ったような歌詞。
  当時のヒッピーのLove & Peace そのものといった文化を唄ったエポックメイキングな曲ですね。それから四半世紀以上も経て、今もなお、そのスピリットは形や表面上は変わっても、Deadheads の心に脈々と受け継がれています。音源をシェアするこのヴァインも、この曲からの伝統の中にあります。ショアラインのセットクローザーにふさわしい選曲だと思います。
  この日は実に満ち足りた安定したJack Straw です。この曲はいつも前半の穏やかな演奏とはうって変わって、後半のJam が聴きものですが、その伝統もしっかりと継承されています。
  流れるような流華なソロからグイグイと引っ張るJimmy のギターが聴けます。その後でBobby のカッティングが渋い音色を聴かせます。
  
  
• 70分を越えるファーストセットが終了しました。
  しばしの休憩です。
  ハイレベルで安定した演奏のセットでした。しかしながら、こんなものでは無い、まだまだ、化学反応を起こしたThe Dead の凄さはこんなものではないという気持ちも残ります。今はファーストセットが終わったばかり。セカンドセットにますます期待です。
  
  

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• セカンドセットです。
  ちょっとコケティッシュなリズムとメロディが聞こえます。一体、何の曲が始まるのでしょう。
  正体不明のJam がやや続きます。そして、開始されるのが、 Scarlet Begonias！もう、いきなり大合唱！Jack Straw にScarlet が聴けるなんて、ショアラインに行った人達はラッキーです。Grateful Dead のテーマソングのようなScarlet の演奏回数は、74年から95年まで316回。The Dead では6回目です。
  Jimmy Herring のソロは相変わらずなめらかで気持ちいいですが、別世界にいざなってくれるほどではありません。
  それがセカンドコーラス後のJam で徐々に本性を現してきます。次第に速度を増し、次第にJazzy になっていくJam 。とにかく弾きまくるJimmy にPhil やピアノ（おそらくChimenti )が面白いカラミ方をして、緩急自在のDrumsがそれを進行します。ハードではありませんが、なかなか聞き応えのある演奏です。
• 静かに着地して、お約束の Fire On The Mountain は演奏されません。この、Scarlet > Fire の引き離しは、The Other Ones の頃からしばしばありました。
  この日は、ファーストセットで、China > I Know You Rider の『宿題』を残していますから、これで2つ目の宿題となります。私が2002年に見たPhil & Friends では、実に翌日にFire が演奏されるという、2日にまたがったメドレーが行われました。
• Bobby がアコースティックギターに持ち替えて、 Peggy-O(Fennario) が演奏されます。このツアー、6回目の演奏です。
  このトラディショナルソングを、語り部のようなボーカルでイメージの世界にいざなってくれたJerry とはまったく異なる手法、すなわち、Phil とBobby とJoan がそれぞれ登場人物の役割分担をして、交互に唄っていく、まるでステージ劇のような構成です。同じ曲でも、これはまったく違うアプローチ、違う表現ですから、私はこの曲をGrateful Dead とはまったくの別物、The Dead の新しい曲のようにとらえています。カリフォルニアのオーディエンスにも、この進行は大受けだったようです。
• ゆったりと、なつかしい旋律が奏で始められます。Uncle John's Band です。Grateful Dead のゴールデンナンバーが続きます。Grateful Dead での演奏は332回、The Dead でも8回と最多演奏回数を数えます。Jimmy がスタジオ盤と同じ、イントロのリードメロディを弾くと、一段と歓声が高くなります。
  Phil を中心としたコーラスで唄われていきます。全体的に力まないスタジオ盤を彷彿とさせるような、サラリとした演奏です。ワンコーラス終わるごとに大歓声。そしていっしょにコーラス。さぞかしいい雰囲気、最高のひとときだった事でしょう。
  やさしいJimmy のソロ。水を得た魚のようです。セカンドコーラスが終わって、恒例のJam パートに入っていきます。これまた力みのない、ゆったりとしたJam が展開します。Jimmy のソロが次第にインテンツになっていくと、他のメンバーもレスポンス良く反応して、聞き応えのあるセッションになっていきます。あれよあれよという間にぐんぐん上昇していく演奏！
  ふーっと息が抜けるように収束した思うと、アカペラのサビコーラス。沸き上がる歓声。やっぱり戻ってきてくれました！
• そのままショーは Drums パートへと引き継がれます。
  まずはBilly の生Drums とMickey のパーカッションの応酬。ここでも沸き上がる歓声。大受けのDrums です。
  Grateful Dead の純正タイコ隊が30年以上に渡って続けてきた打楽器のアンサンブル。調べてみると、Grateful Dead においては、Drums が273回、Drumz、すなわち、Drums > Space が実に1265回と出ました。
  DrumをBilly にまかせて、Mickey がさまざまな音色を出し始めます。Billy もやがてDrumセットを離れて、パーカッションで応えます。アンサンブルがある二人。これがすごい。そしてまさに阿吽の呼吸。
  やがてMickey が遠くで鳴り響く雷鳴のような音を出し始めます。Beam です。ピアノ線を貼ってピックアップを取り付け、シンセサイザーで加工した、Bass よりもはるかに重低音を提供する独自の楽器。今日は、その重低音をたっぷりと響かせます。異次元空間の出現です。
• その頃には他のメンバーがステージに戻ってきていた事でしょう。Space パートの開始です。
  不協和音がランダムに聞こえます。さまざまなイメージが出現しては消えてゆきます。彼らの作ったゼリーの海に身体を浮かべて、漂うことにします。
  音の断片がリズムになり、得体の知れないものの影を作ります。デジャブです。不思議なJamセッションが始まりました。会場にいて、こんなのを聴かされたら、頭は真っ白、訳がわからなくなってしまう事でしょう。
• そしてSpace を受けて始まるのが、 Darkstar 。私は以前に、The Other Ones のDarkstar を聴きながら、この曲はどうやっても、70年前後のあのDarkstar に届くものは出来ないのだから、封印して欲しいと書いたことがあります。それは、この曲全体でひとつの表現をしたのは、その時期のみで、Grateful Dead においてさえ、後期は、単なるJam のモチーフとして扱われてきたような気がするからです。
  それでも、Phil はこの曲を演奏し続け、The Deadでも、6回目の演奏となりました。冒頭はPhil のボーカルで、その後、Joan、Bobby と持ち回りで唄われます。このPhil のボーカルがここのところ変化して、まるで北風がささやいているような唄い方をするのです。これがなかなか良いのです。
  そしてやはり、 Darkstar から派生していくJam となっていきます。それは先程のSpace の延長のごとく、カオスに満ちたもので、なかなか聴かせます。
  やがて Darkstar のテーマに戻り、インストでワンコーラスが演奏された後に最終コーラスが唄われます。ここでもPhil > Joan > Bobby のローテーションです。
• Darkstar のエンディングJam が終わると、新たな曲が始まります。 Born Cross Eyed です。ちょっとBobby のボーカルが遠いです。67年のアルバムAnthem Of The Sunに収録され、Grateful Dead では68年に13回演奏されたきりの曲です。Bob Weir 作詞作曲ですからBobby 20歳の時の作品という事になります。これまたThe Dead が復活させた曲で、今回で4回目の演奏です。キメやブレイクの多い曲で、しっかりリハをやらないと演奏出来ない曲かもしれません。2コーラスですぐに Jam に入ります。そしてそのまま終了。この曲はまだThe Dead 内でも方向性が定まっていないこれからの曲かもしれません。
• あっという間に終わった Born Cross Eyed に続いて、ゆっくりしたメロディが聞こえます。Bobby がすぐに唄い始めます。 He's Gone です。これまた名曲中の名曲ですね。そしてエポックメイキングな場面でも必ずといっていいほど演奏された曲でもあります。72年から95年までの演奏回数は328回を数えます。The Dead ではこれが5回目の演奏となります。名フレーズ、
  
  Nothing left to do but smile, smile, smile
  
  で沸き上がる歓声。このフレーズを聞くたびに、こんなふうに生きていきたいものだと思います。これまた会場中が合唱しています。サビのコーラスで一端トーンダウンして、徐々に徐々にゆっくりと停まっていきます。静寂の中でのJam。こういう表現がついにこのバンドでも出てきました。アンビエントな音数の少ない状態で伝えていくグルーヴとヴァイブレーション。 この He's Gone からショーが絞まってきた事を感じます。
• そして、私としてはこの夜のハイライトと呼べる演奏へとつながっていきます。Joan の唄う Days Between です。Stells Blue やChina Doll にも通じる、マイナーの美しい曲。Jerry とHunter によってDeadの後期、93年に作られた曲ですね。Grateful Dead では、93年からの3年間で41回という演奏回数です。ハワイのAtsukoさんが、この曲の事を『Jerryがやり残した曲』という、実に的を得たコメントをしてくれた事があります。
  The Dead でJoan によって唄われるのは、この夜でまだ4回目。しかしながら、この曲こそ、The Dead がJerry から見事に受け継いだものであると思います。微妙なメロディを丁寧にデリケートに、しみじみと唄いあげるJoan のボーカルが素晴らしい出来です。もう完成しています。Jimmy が静かで素晴らしいソロを聞かせます。こういう時のDrums の実に的を得た盛り上げ方にもしびれてしまいます。あれほど盛り上がっていた会場が静まりかえって聴き入っています。 He's Gone の静かなJam はこの曲の序曲だったのだと思います。バンドが全霊を込めてJerry にメッセージを送っている気さえします。
  Jerry が種を蒔き、The Dead が受け継ぎ育てあげてきたものが、今、華開こうとしている感慨を覚えます。ぜひ、この曲をライブで聴きたい！
• Days Between の静かで長いJam が次第に形を変えて、リズミカルなものへとなっていきます。次の展開への模索を始めるかのように。進行をリードするのは、やはりPhil です。
  そしてそれは開始されます。ファーストセットで『宿題』となっていた曲のひとつ、 I Know You Rider です。そしてこの曲がセカンドセットのクローザーとなります。もうひとつの宿題であるFire On The Mountain は、この日は結局、演奏されませんでした。次回のショーに期待です。
  Franklin's Tower と並んで、この曲のJimmy のソロはThe Other Ones 時代から抜きん出て良かったと思っていますが、この日は、さらに磨きがかかっています。The Dead としては7回目の演奏です。冒頭のFill In からなめらかなJimmy 節がスムーズに存分に聴けます。ボーカルが全員によるコーラス、サビはBobby。そしてキラキラしたJimmy のソロが始まります。軽快にグングンと上がっていきます。ファンタスティック！願わくば、もう少し長く演って欲しかった。
  そしてショアラインのレギュラーセットはこれですべて終了します。
  
  
• アンコール前、恒例の Donor Rap はjanis （と私には聞こえました）と名乗る女性（？）が行います。Setlistには、 Graham's Donor Rap となっていますが。
  
• アンコールは、あのリズム、Not Fade Away？いえ、Aiko Aiko でした。（Setlist表記はそうですが、正確にはIko Iko ですね）という事はMickey のボーカルです。この曲ももう7回目の演奏です。軽快でご機嫌な最後のひと踊りをショアラインのオーディエンスにプレゼントして、The Dead はこの夜の演奏をすべて終了しました。
  
  終わってみれば、ファーストセットは、72分、セカンドセットは実に2時間を越えて、2時間20分というボリュームたっぷりのショーでした。
  遠くから駆けつけた日本のDeadheadsにも満足感いっぱいのショーだったことだろうと思います。
  サマーツアーも1日おいて残すところ、あと1日で終了です。

　

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9月21日


• いよいよ、The Dead Smmer Getaway 2003 もサードレグ最終日、つまり追加公演の最終日という事は、ツアーの千秋楽を迎えました。
  場所は Gorge。ジョージでは無くゴージです。
  ベニューは、Gorge Amphitheatre、住所は、754 Silica Road N.W.　George, Washington 98848 。ワシントン州のジョージにある、ゴージという訳です。私は未だに、この北カリフォルニアにあるベニューに行った事がありません。そしてRed Rocks と並んで、今、一番行ってみたいベニューのひとつです。場所はシアトルからハイウェイ90号線を東に走ること約100マイルにある公称キャパ２万人の野音です。
  グランドキャニオンが削り取られる前のような雄大な自然の中にステージがあります。
  会場に着き、丘を登って、上がったところが、会場のLown 席の最後尾になるそうで、そこから眼下にステージが見える訳ですが、その彼方には、雄大なコロンビアが横たわるパノラマが広がっています。まさにゴージャスな眺めで、鬼軍曹＠ひろきさんに教えてきただいたところでは、地名のジョージと、ゴージャスをかけあわせて、ゴージという名前にしたとか。
  １年のうち、310日以上が快晴という日本では考えられない場所です。
  近年ではPHISHがショーを行っていますが、Grateful Dead は一度もここでのショーは行っていません。調べられませんでしたが、比較的新しい会場なのでしょうか。
  写真を見ると、Red Rocks に優るとも劣らない雄大さで、大自然のパワーを受けての演奏は多いに期待が持てます。
  音源のほうは、クリアで素晴らしい音質です。お楽しみください！
  
  
• まずは、PAやモニタの調子を確認するかのように、チューニングと試し弾き、試し打ちが行われてから、音を確認するかのようなJamとなっていきます。音は良好です。Jam は結構長く続きます。大自然の中で気持ち良く音を出している様子がうかがえます。
• そして、実質の１曲目は、 Truckin' !まさにツアーを続けてきてバンドの千秋楽にふさわしいリアリティのある Truckin'です。
  うーん、カッコいい！最初からばっちりOKです。絶好調ではないですか！これは期待が持てます。
  What a long strange trip it's been!!
  で沸き上がる大歓声！イエーイ！Grateful Dead の歴史をひとことで言い表したようなフレーズですね。
  コーラスもきれいに決まって、Drums もBass もノリノリ、Bobby もカッティングしまくりです。Jimmy Herring がアッパーなソロを聴かせます。
  キメがドーン！と繰り返しキマッて、もう言うことなし。さらにJimmy はギターにワウワウをかけてソロを続行！これは最初から化学反応しまくりです。追っかけていると、こんな日に出くわすから、このバンドは面白い。このバンドから離れられない。
• Truckin' が終わってからもBobby がカッティングを続けます。もう次の曲に入っています。キーボードがうなるようなサウンドを聴かせ、Drums がそれに呼応します。うなるようなお経のような声も聞こえます。ツアーでたびたび披露され、今回5回目のレノン＆マッカートニーのナンバー、Tomorrow Never Knows です。
  私が聴いた中では一番の出来です。Joan の中近東風のコーラスが雰囲気を盛り上げている曲でしたが、今日は一段とストレンジ！鳥肌ものです。
  一撃でチャクラが開いてしまう状態。Jimmy のギターが、ねっとりとからみつくような音色で、頭の芯で響きます。
  Of the beginning, of the beginning...のコーラスが反響しています。さらにJimmy のソロ。マイッタ！これはイイ！こんなのを、あの地球を感じるような大自然のベニューで見たら、そりゃたまりません。
• 一転してGrateful Dead ナンバー、Cryptical Envelopment 。The Other Ones で蘇らせたナンバーですね。でも彼らはこの曲はまだ4回目。ちょっと意外です。今日はみんないいんだけど、とにかくJimmy Herring のギターが脳に直接伝わってくる感じです。音色もフレーズもピッキングも違いますが、伝わり方が、まるでJerry と同じです。
• 気がつけば曲は、 Loser となっています。Bobby がブレイクを長めに取って、バンドを無音状態にしてから、唄をつづけます。今まで、こんな間、こんな静寂はありませんでした。まるで77年のGrateful Dead のような演奏です。Jimmy のソロにしばし身をまかせます。気持ちイイー！
  高音部のみを引き続けるピアノソロがまたイイ！こんなにリラックスして、こんなに緩急をつけたThe Dead は初めてです。それがまだ出来ないのは、彼らに唯一残された課題だったはずです。The Dead が最終日についにバケた！そんな感じです。
• そして彼らが発掘して蘇らせた曲、 Alligator 。気楽でいいかげんなボーカルコーラス。60年代のヒッピーみたい。今日のメンバー達は、大自然から、オーラとパワーをもらっているのでしょうか。楽しんでます。そして後半のギターソロ！もう、60年代のサイケデリックサウンドよろしく、もうギンギンに弾きまくり！イエーイ！スゲー！今日のJimmy には節度がありません！
  その後のJam では、Phil がほんのチラリとSunshine Of Your Love のフレーズを聴かせます。
  
• 曲調はスピード感満点のスリリングなJam となります。楽器の音かと思ったら、Joan の声だったと思った瞬間にボーカルが始まります。 Caution です。これまたスゴイ。疾走するリズムの中で、まるでPig Pen を彷彿とさせるJoan のボーカルJam が続きます。その後のBobby のボトルネックギターのソロがまたカッコいい！そのままリズムを支えているBobby のカッティングもすごいです。

  08. It Must Have Been The Roses 　　06:50

  09. West LA Fadeaway 　　　　　　　10:05

  Total 77:57
  

  
  Disk 2　
  
  Set 1 (continued):

  01. Fire On The Mountain 　　　　　　09:15

  Set 2:

  02. Loose Lucy 　　　　　　　　　　　07:58

  03. Brown Eyed Women　　　　　　　 05:53

  04. Eyes Of The World -> 　　　　　　12:12

  05. Night Of A Thousand Stars -> 　　　07:22

  06. Estimated Prophet -> 　　　　　　09:39

  Total 52:21

  
  
  Disk 3　
  
  Set 2 (continued):

  01. Drums ->　　　　　　　　　　　 19:26

  02. Space (with Joan vocalizing) -> 　12:23

  03. Standing On The Moon ->　　　　　 11:59

  04. Cassidy 　　　　　　　　　　　　　09:09

  05. Sugaree 　　　　　　　　　　　　　11:42

  06. Phil's Donor Rap　　　　　　　　　 01:02

  Encore:

  07. Sampson & Delilah　　　　　　　　 06:15

  08. Brokedown Palace　　　　　　　　 06:49

  Total 78:49

• 
  

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参加方法

■これは、zc7に参加された方に自動的に追加されるものです。つまり、

・zc7にお申し込みの方は前回の方から、自動的に音源が送られて来る　はずですから、
・新規のお申し込みは必要ありません。また、
・追加のみの参加は出来ません。

新規のお申し込みはzc7のページから行ってください。

また、追加はいらないという方はお手数ですが、前後の方と自主的に連絡を取って、飛ばしてもらってください。

■音源には寄せ書きがついています。今回もついています。これがまれに紛失します。『今回は寄せ書きが無いのですか？』という質問をいただいたりしますが、必ずつけています。考えてみてください。音源が紛失しても、マスターから焼き直し出来ます。しかしながら、みなさんの気持ちをこめた寄せ書きは、紛失したら、元には戻せません。そう考えると、これも大切に取り扱っていただきたいものです。どうか、よろしくお願いします。（過去の寄せ書きが出てきた方は、私まで連絡ください）

■zc7追加コースのボリュームは、ＣＤの場合、ノーマルな74分メディアが12枚、80分が5枚の計17枚です。

■進行状況はzc7同様、Chasin's DEAD BBS （いつものzc-BBSではありませんので御注意ください。）に自発的に書いてください。
その際に、【zc7追加版】と表記して、追加版であることを明記して混乱を避けてください。コースは前回zc7と同じです。

■zepにメール ⇒ このページで参加と相手のメールアドレスを確認 ⇒ 参加者同士がメールで住所連絡（なるべく早めに事前に行ってください）⇒ Chasin's DEAD BBS で進行状況把握
．．という手順です。
※Chasin's DEAD BBS は、『送った』『受けた』だけでなく、一言、音源に対する感想などを書いていただくと、楽しいBBSになると思っています。ネット上にみんなでGrateful Deadの広場を作りましょう！では、メールを待っています。　　　11-01-2003 zep

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SETLIST　| 8-9 |8-10 | 9-18 | 9-19 |9-21 |

The Dead
SUMMER GETAWAY 2003
08/09-10 & 9/18-19-21/2003

Mickey Hart, Phil Lesh, Bob Weir
Bill Kreutzmann,Jimmy Herring,Jeff Chimenti
Rob Barraco and Joan Osborne


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08-09-2003

Jones Beach Amp. - Wantagh,N.Y.

Source: Nak CM 100 W/CP4 Shotguns>Sony SBM1>Sony PCM-M1　　Conversion: DAT>CD>EAC>SHN
Mastering: SHN>WAV>CE2K/SOUNDFORGE>CDWAV>SHNTOOL>mkwACT
Tapers: Steve Traietta & Mark McCreary (Pugs)　　Location: Tapers Section
Lineage:　DAUD > DAT > CD > EAC > SHN > WAV > CE2K/SOUNDFORGE > CDWAV > SHNTOOL > mkwACT
Main Source Prepared and Provided by JBGoode
Mastering and seeded to etree by MattMan (mcoleATsun.science.wayne.edu)


Disk 1　

Set 1:Acoustic

01. Tuning> 　　　　　　　　　　　　　　02:40

02. Strawberry Fields Forever>*　　　　07:16

03. Friend of the Devil+ 　　　　　　　　06:33

04. Lazy River Road* 　　　　　　　　　06:53

05. Candyman+ 　　　　　　　　　　　　07:36

06. Stella Blue* 　　　　　　　　　　　　08:37

07. Cassidy>+ 　　　　　　　　　　　　06:20

08. Bird Song+ 　　　　　　　　　　　　05:39

Total 51:36

*Barraco on keys +Chimenti on keys


Disk 2　

Set 2:Electric

01. Tuning> 　　　　　　　　　　　　　03:16

02. Shakedown Street> 　　　　　　　　11:36

03. Minglewood Blues　　　　　　　　 08:40

04. Crazy Fingers>　　　　　　　　　　 11:51

05. Loser　　　　　　　　　　　　　　 09:44

06. Tomorrow Never Knows> 　　　　　07:59

07. Playin' in the Band 　　　　　　　　09:20

Total 62:30


Disk 3　



Set 3:Electric

01. Jam> 　　　　　　　　　　　　　　07:49

02. Milestones> 　　　　　　　　　　　06:48

03. Playin' Reprise> 　　　　　　　　　02:25

04. Mississippi Half-Step> 　　　　　　11:37

05. Ramble on Rose>　　　　　　　　　 07:31

06. Jam> 　　　　　　　　　　　　　　05:36

07. October Queen>　　　　　　　　　 08:27

08. Jam> 　　　　　　　　　　　　　　03:46

Total 54:02



Disk 4　

Set 3 (Continued):

01. Drums(1)> 　　　　　　　　　　15:37

02. Space>　　　　　　　　　　　　　 10:21

03. Birdsong Reprise> 　　　　　　　　07:57

04. Cassidy Reprise> 　　　　　　　　06:52

05. Sugaree(2) 　　　　　　　　　　11:42

Encore:

06. One More Saturday Night　　　　　 06:05

07. Ripple　　　　　　　　　　　　　 05:49

Total 64:26

Notes:
-I mastered the complete show with parametric EQ (+6dB at 60Hz, 1Q), amplification of electric sets (+3dB to match acoustic set), fades, minor pop removal with Soundforge pencil, and minor edits. Disc 3 and 4 can be joined seemlessly.
-There is minnimal distortion (preamp oversaturation?) throughout the electric sets that was present before I applied the EQ.
-Despite the wind, there is no discernable windnoise.
(1) 1 sec of drums trimmed to mask dat change.
(2) Fade out; Donor Rap missin; Fade into OMSN.
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08-10-2003

Jones Beach Amp. - Wantagh,N.Y.

Source: Nak CM 100 W/CP4 Shotguns>Sony SBM1>Sony PCM-M1 Tapers: Steve Traietta & Mark McCreary (Pugs) Location: Tapers Section
Conversion: DAT>CD>EAC>SHN
Mastering: SHN>WAV>Shntool(join wav)>ADWS>CD WAV>SHN(Seekable)
Source Disc's From: JBGoode
Mastering and seeded to etree by T. Wiley 08/17/2003.


Disk 1　

SET 1 (Acoustic)

01. Tunning　　　　　　　　　　　 {1:06.73}

02. Uncle John's Band+　　　　　 {8:49.46}

03. Mountains of The Moon*　　　 {8:25.07}

04. Blackbird->　　　　　　　　　 {3:28.18}

05. Me & My Uncle+　　　　　　　 {4:37.59}

06. It Must Have Been The Roses*　　 {6:58.65}

07. Deal*　　　　　　　　　　　　 {5:47.51}

08. Brokedown Palace+　　　　　　 {5:05.51}

Total 44:19.70

*Barraco on keys 　+Chimenti on keys


Disk 2　



SET 2 (Electric-1)

01. //Drums->　　　　　　　　　 {9:19.20}

02. Self Defense　　　　　　　　　 {8:41.35}

03. Mr. Charlie > Jam　　　　　　 {11:41.04}

04. St. Stephen->　　　　　　　　 {8:25.27}

05. William Tell Bridge->　　　　 {8:02.59}

06. The Eleven-> 　　　　　　　　{9:27.64}

07. All That We Are->　　　　　　 {4:56.30}

08. Sugar Magnolia->　　　　　　 {9:08.64}

Total 69:43.03


Disk 3　

SET 3 (Electric-2)

01. Tunning　　　　　　　　　　　 {3:00.29}

02. All Along The Watchtower-> 　{10:04.03}

03. Unbroken Chain-> 　　　　　　{12:52.39}

04. Space->　　　　　　　　　　 {4:42.40}

05. Morning Dew-> 　　　　　　　{13:33.18}

06. The Other One->　　　　　　 {10:52.27}

07. Terrapin Station　　　　　　{15:20.32}

Total 70:25.38


Disk 4　

SET 3 Electric,cont'd

01. Samson & Delilah->　　　　　 {6:12.70}

02. Turn On Your Lovelight->　　 {12:05.64}

03. Donor Rap　　　　　　　　　 {2:46.27}

ENCORES:

04. U.S. Blues->　　　　　　　　 {5:38.51}

05. Touch of Grey　　　　　　　　 {6:57.40}

Total 33:41.27

Notes: This night was very windy. I attended the show personally and noticed how the swirling
wind was making the symbols on the drums sound funky. This seed came to me in SHN Format. I
decoded to WAV. Ran it thru shntool join to make each set one wav. I then tweaked the levels
to bring a more full sound to it. In the mastering I used Stereo Expander, Multiband
Compressor, and Peakmaster. Fades are added on the beginning and ending of each set. D2t01
first few beats are clipped. I had other copies of this one and they all start the same spot
like this one. D3t05 Drop out @ 12:51 removed. D4t02 & D4t04 had digi pops which were copy and
pasted with the oposite channel. I then used CD WAV to select the tracks. Shntool to confirm
the Sector Boundaries. Then used MKWACT to shorten with seektables appended.
Many thanks to JBGoode for this seed.
Enjoy!


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09-18-2003

Verizon Wireless Amphitheatre Irvine, CA

Rode NT4->Behringer MXB1002->Nomad JB3 @ 44.1 kHz-> Volume maximized with Steinberg Clean->
Tracks separated and adjusted for CD sector boundaries with Diamond Cut 5->
SHN'ed with MKWact Both the NT4 and the MXB1002 were on internal battery power. Daud by Bob Clevenger



Disk 1　

Set 1:

01. Help on the Way -> 　　　　　03:01

02. Slipknot! -> 　　　　　　　　12:19

03. Hard To Handle -> 　　　　　　07:09

04. Down the Road Again ->　　　 08:24

05. Ramble on Rose 　　　　　　　08:15

06. Strawberry Fields Forever -> 10:45

07. Mountains of the Moon ->　　 11:18

08. All That You Are -> 　　　　　06:00

09. Bertha 　　　　　　　　　　　08:14

Total 75:28



Disk 2　

Set 2:

01. Friend of the Devil　　　　　 08:21

02. Even So -> 　　　　　　　　09:06

03. October Queen ->　　　　　 08:15

04. Only The Strange Remain -> 15:42

05. The Wheel ->　　　　　　 12:39

06. The Other One ->　　　　　 04:46

Total 58:51



Disk 3　

Set 2 (continued):

01. Drums (with John Molo) -> 07:11

02. Space ->　　　　　　　　 16:32

03. China Doll -> 　　　　　　　08:51

04. Throwing Stones ->　　　　 09:33

05. Slipknot! -> .

. Franklin's Tower 　　　　　　15:03

06. Phil's Donor Rap　　　　　 01:01

Encore:

07. We Bid You Goodnight　　　02:47

Total 60:59

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09-19-2003

Shoreline Ampitheatre Mountain View, CA

Sound path: AKG C1oooS->Samson Mixpad 4->VxPocket v2 (@ 44.1khz 16 bits)->cooledit 2k-> shn (verified w/ shntool, encoded w/ mkw, shn->wav decoded, verified w/ md5sum again)
Recorded from the taping section on the lawn. End of second set was patched from a backup (off of a different output of the mixing board) into a nomad jukebox 3 - virgin run of laptop went battery-depleted due to lenghth of that second set - I've got bigger batteries now :)
Hello to Tony and Misti! phopely@eniac.seas.upenn.edu


Disk 1　

Set 1:

01 crowd　　　　　　　　　 01:15

02 Lazy Lightning->　　　　 03:51

03 Supplication Jam-> 　　　05:11

04 China Cat Sunflower->　 09:14

05 Reuben & Cherise-> 　　10:42

06 A Little Piece For You 　　07:59

07 Shakedown Street->　　 11:22

08 Mister Charlie->　　　　 07:15

09 Stagger Lee->　　　　　 06:27

10 Self Defense 　　　　　　09:04

Total 72:23


Disk 2　

Set 1 (Continued):

01 Jack Straw 　　　　　　10:00

Set 2:

01 Scarlet Begonias->　　　 18:33

02 Peggy-o-> 　　　　　　　07:32

03 Uncle John's Band-> 　　　13:00

04 Drums-> 　　　　　　　　14:54

05 Space-> 　　　　　　　　12:19

Total 76:21


Disk 3　

Set 2 (Continued):

01 Darkstar-> 　　　　　　　18:13

02 Born Cross Eyed-> 　　　　05:32

03 He's Gone->　　　　　　　14:08

04 Days Between-> 　　　　　17:06

05 I Know You Rider　　　　　10:06

Encore:

06 Graham's Donor Rap->　　 01:12

07 Aiko Aiko　　　　　　　　 08:59

Total 75:18

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09-21-2003

The Gorge George, Washington

Rode NT4->Behringer MXB1002->Nomad JB3 @ 44.1kHz-> Volume maximized with Steinberg Clean->
Tracks separated and adjusted for CD sector boundaries with Diamond Cut 5->
SHN'ed with MKWactBoth the NT4 and the MXB1002 were on internal battery power. Daud by Bob Clevenger


Disk 1　

Set 1 :

01. Tuning > Jam　　　　　　　　　　 06:20

02. Truckin' -> 　　　　　　　　　　10:32

03. Tomorrow Never Knows -> 　　　08:33

04. Cryptical Envelopment -> 　　　　04:56

05. Loser　　　　　　　　　　　　　 09:32

06. Alligator ->　　　　　　　　　　 08:39

07. Caution (Do Not Stop On Tracks) 12:25

08. It Must Have Been The Roses 　　06:50

09. West LA Fadeaway 　　　　　　　10:05

Total 77:57



Disk 2　

Set 1 (continued):

01. Fire On The Mountain 　　　　　　09:15

Set 2:

02. Loose Lucy 　　　　　　　　　　　07:58

03. Brown Eyed Women　　　　　　　 05:53

04. Eyes Of The World -> 　　　　　　12:12

05. Night Of A Thousand Stars -> 　　　07:22

06. Estimated Prophet -> 　　　　　　09:39

Total 52:21



Disk 3　

Set 2 (continued):

01. Drums ->　　　　　　　　　　　 19:26

02. Space (with Joan vocalizing) -> 　12:23

03. Standing On The Moon ->　　　　　 11:59

04. Cassidy 　　　　　　　　　　　　　09:09

05. Sugaree 　　　　　　　　　　　　　11:42

06. Phil's Donor Rap　　　　　　　　　 01:02

Encore:

07. Sampson & Delilah　　　　　　　　 06:15

08. Brokedown Palace　　　　　　　　 06:49

Total 78:49



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追加版のため参加者一覧はzc7と同じです。zc7のページをご覧ください。（進行状況はChasin's DEAD BBSをご覧ください）

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